虚血性心疾患について

日本人の死因の第2位は、心臓病です。

日本人の死亡を原因別にみると、心臓病は1985年に脳卒中を抜いて以来、がんに次ぐ第2位で、しかもその死亡数、死亡率はともに上昇傾向を示しています。心臓病の中でも、最も多い病気が狭心症や心筋梗塞を代表とする『虚血性心疾患』です。

虚血性心疾患とは

狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患とは文字どおり「心臓の血が虚=ない」病気、つまり血液の流れが悪くなり、心筋の酸素が足りなくなっている状態をいいます。これは、心臓に血液を送る冠動脈が動脈硬化により狭くなってしまうことが原因で起こります。

狭心症

症状
・胸が締めつけられるように痛くなる
・動悸、息切れがする
5∼15分くらい安静にしていると痛みが治まります。

症状の表れ方によって2タイプにわけられます。
1 労作性狭心症 (例)通勤時、駅の階段を上がるときに胸に圧迫感を感じる
2 静時狭心症 (例)明け方、胸が痛くて目が覚める

動脈硬化時の冠動脈 主な原因
・動脈硬化
動脈硬化とは、動脈の内側にコレステロールなどがたまって血管壁が厚くなり、弾力性がなくなってもろく傷つきやすくなる状態。狭心症の症状は、冠動脈の中が動脈硬化のために狭くなり、心筋に血液が十分に送られなくなったために起こります。

心筋梗塞

症状
何の前触れもなく、胸の中央、または左胸部に
・鉛のかたまりをのせたような重苦しい強い痛み
・焼けつくような激しい痛み
30分以上長く続くのが特徴

なお高齢者や糖尿病の患者さんでは、痛みを伴わない心筋梗塞がみられることもあります。

血栓ができたときの冠動脈 主な原因
・プラーク破たん+血栓
動脈内にできたプラーク(コレステロールが固まってできた病巣)が破たんすると、その破たん部に血栓ができやすくなります。心筋梗塞は、冠動脈が血栓により完全に詰まった状態になることにより起きます。
数時間内に冠動脈の詰まりを除去しないと、その先に血液が流れず心筋が死んでしまい、心臓にダメージを残すことになるため、一刻も早く救急車で病院に行くことが大切です。


虚血性心疾患のほかには次のような心臓病があります(コラム)
  • 生まれつき心臓に問題がある先天性心臓病 — 心房中隔欠損、肺動脈狭窄など
  • 脈の乱れを起こす病気 — 不整脈、心房細動、心室細動、房室ブロックなど
  • 心筋の病気、心臓弁膜の病気、心膜の病気など
  • そのほかの病気 — 心肥大、精神的な原因から起こる心臓神経症など

狭心症の症状が進んで心筋梗塞になる場合と、狭心症を経験することなく、いきなり心筋梗塞になる場合とがあります。